みなさんこんにちは、事務屋ひばさんです。
突然ですが、こう言われたことないですか?
「これ、処理しておいて!」
そして渡される見るからに個人的な領収書・・。

処理するって・・??
頭上に浮かぶハテナマーク・・
一体私はどうなるのか・・!?
さて、今回はこれらの「事業に全く関係のない支出」がテーマです。
ひばさんの会計日記では、以前「事業に関係のある科目は、積極的に経費処理していきましょう!」みたいな記事をご紹介したことがありますが(参考「領収書がなくても諦めないで・・!どうしたら経費処理ができるか考えて見た。」)、今回は「じゃあ、事業に関係のないもの」は一体どうしたらいいのか。
元々、事業に関係無いものですから、本来は経理の手には渡ってこないハズのものですから、迷うのは当然ですね!
無理矢理処理をするなら一体どんな科目が考えられるのか。そして、経費処理したらどこにどんな影響が出てくるのかを見ていきたいと思います!
清く正しく処理するならこの科目。
事業に関係のない支出ですので、本来は経費処理するモノではありません。
ですが、相手が役員やボスであったり、すでに渡している仮払金の中から払われている等(もう金庫のお金が減っている)、どうしても「何かしらの科目」で処理せざるを得ない場合もあるかと思います。
このときは、普段の経費科目は使えません。
もし、一般の従業員さんが間違えて会社の仮払金等から出してしまったなど、「後から精算します!ごめんなさい!!」
などという場合であれば
仮払金(もしくは立替金など) / 現金等
など、「仮払金等」で置いておき、精算する事も可能です。
一方で、その事業に関係のない支出が、ある従業員さんの個人的なモノである場合は、給与にするという事も考えられます。
給与 / 現金等
この場合、その従業員さんに対する給与として源泉所得税が課税されます。
一方で、一般的にはあんまり考えられませんが・・社長が勝手に会社のお金を持って行ってしまったとか、社長宅の家具なんかを買ってしまってる(たとえば・・)なんて場合。社長と経理だけの小さな会社などでは、「会社のお金=社長のお金」みたいなケースもあります。ホントはいけないですが。
こんな時は、じゃあ役員報酬とするか!?となりそうですが、役員報酬は定期定額という決まり事があるため、役員報酬に突っ込むのはオススメできません。考えられるのは「役員貸付金」などです。
役員貸付金 / 現金
そもそも、会社のお金と社長のお財布がイコールになっている場合、多くの場合は「会社のお金が足りなくて、社長が私財を投入している」場合があると思います。このとき、
現金 / 役員借入金
等として、会社は社長から借入をしているという場合は、社長がお金を持っていった(または私物を買った)際には「役員借入金の返済があった」として
役員借入金 / 現金
と処理することも考えられます。
社長が会社のお金を私物に使った場合、「いつも会社にお金入れてるし、ちょっと返してもらって良いよね!」と思って使っている場合は「役員借入金」の返済でいけそうですが、問題は・・「経費にいれろ!」というちょっとよろしくない考えの場合です。
不覚にも経費にするなら・・?
本当は経費ではないのに、経費に入れる場合。
おそらく、一回きりの少額であったり、事業の経費としても全然おかしくないようなモノであれば、ばれる事はないかもしれません。
どんなモノを買うかにもよりますが、備品消耗品や福利厚生費、接待交際費や雑費など、通常経費として考えられそうな科目を使用することになるでしょう。
税理士や会計士が関与している場合でも、たくさんの仕分けを見なければなりませんので、一々
「コレは、今どこにありますか?どんな使い道ですか??」
などとわざわざチェックされることはないかと思います。ですので、
「今まで注意されたことないし!」
と思われる事もあるかと思います。
気づかれるとすれば、会社の実態を実際に見ている税理士さんなどの場合
「元帳にある応接セット、毎月訪問してるけど全然見ないな??どんなヤツだろ?」
「今回少額資産として償却した中古車、見たことないな!?」
「従業員さん一人なのに福利厚生とか人件費よりも多いってどういう状況??」
等々、会社の実態と、手元に出ている数字が・・ちょっと違和感あるんだけど??という場合に明らかになる事もあります。
事業に関係のない科目を経費処理するとどうなるのか。
元々事業に関係のない経費ですので、利益が出ている企業であれば、その分「利益が少なく計算されている」と言うことになります。
ということは、その分法人税も少なく計算されている、ということになりますね。
さらに、消費税等も納めている場合は、消費税等の額も少なく納税している事になりますので、言ってしまえば経費を水増しして脱税ということにもなってしまいます。
じゃあ、利益が出ていない赤字企業の場合は?というと、その分赤字幅が広がるだけ・・と思いがちですが、青色申告をしている場合は「繰越欠損金」というモノがあり、「今期でた赤字分を、来期以降黒字になったときに差し引ける」という特典があります。
今期出した赤字で、来期以降の税金が少なく計算できるので、コレもやっぱりアウトです。
そもそもの話、事業に関係のない経費が混じっているとなると、会社の実態として正しい数字が出てこないということになります。儲かってるのか、儲かってないのかが分からないということになりますと、正しい経営判断もできません。
年に数回「あ!もしかして、関係のないヤツ混じっちゃったかな!?」という事故的モノではなく、「えへへへ・・コレも入れちゃおう!」という確信犯的にでてくる場合は、科目云々の前に企業体制をどうにかせねば・・という事になりますね。
まとめ
以上、「事業に関係のない支出はどう処理するのか・・!?」というテーマでしたが、いかがだったでしょうか?
多くの皆様には「え~?こんなことってあるの??」と思われるかもしれませんが、小さい企業だったり、社長一人だけの会社さんとかになりますと、意外と「社長の財布=会社の金庫」となる場合もあり、その状態のまま会社だけ大きくなってしまう場合もあります。。
「本来は誰が負担すべき経費?」という事から考えると、「給与」にするのが良いのか、「役員勘定」にするのが良いのか、何らかの勘定科目が候補として浮かんで来ますが、いずれにせよ「全く事業に関係無い経費が会社の金庫から出る」というのはあんまりよろしくない事態ですね。
経理としては「まずコレを処理しなくちゃ・・!」となりますが、そもそも「関係のない経費」が出てこない体制を作るべく手を打っていきましょう・・!
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