みなさんこんにちは、事務屋ひばさんです。
1月も末、早い方ではすでに確定申告の「か」の字が気になって来る頃ではないでしょうか。。
今日は、そんな確定申告期や日常でもよくよく発生する「現金が合わない」という怪現象について、少し見てみることにしましょう。
一体「合わない」とは「何と何が合わないのか・・。」「なぜ合わないのか・・」「じゃあ自腹なのか?」「仕分けは?」「もう!どうしたら!?」ということを考えて見ますよ!
レッツ★現金~!
現金があわないって、どういうこと???
「あぁ・・現金が合わない・・。他の会社さんはこんなこと無いよね(恥)」
と思ってらっしゃる方がいましたら、
そんなことは!ありません!!!!!
と声を大にしてお伝えしたい。
以前、会計事務所職員としてお客さんのところに訪問していた際は、
「あ、今月はバッチリですよ~!!」←会計ソフトにキッチリ正しく入力してますよ!の意味。
と言われて「おっ!よっしゃぁ~!」と、実際見てみると若干ずれていたり、大幅にあっていなかったりすることが多々ありました。
そう、日常茶飯事ということで。
さらに言えば、お客さん自身「ずれているのに気づいていない」という状態であることも。
さて、この「現金が合わない」状態ですけど、実は「何と何が違っているとダメなの??」とお思いの方、いらっしゃいませんか??
これ、「現金実査」した金額と、「帳簿の残高」が違うってことなんです。
個人事業主さんであれば、毎年1/1~12/31までで決算をします。
法人さんであれば、年に一度決算をします。
他にも、毎月しっかり帳簿を締めて試算表など作っているかもしれません。
この、12/31や決算日、月末などで締めた時の「金庫や財布内に実際ある現金残高(現金実査高)」と、帳簿をつけたときの「帳簿上あることになっている現金の残高」が違うことを「現金が合わない」と呼んでいるのですね。
帳簿は、現金出納帳であったり、日記帳であったり、合計残高試算表であったり、決算書であったり。日々の現金の出入りを記録して・・差し引きした結果、残高がいくらと計算してあるモノになります。
ですので、実際金庫を数えたら「531円」あったのに、現金出納帳で電卓をはたいて計算すると、なんと!55,310円になって、あげくパソコンの会計ソフトに入力したら試算表の現金残高は△5,990円になっている・・という悲しい状況などが「現金不合」とか「現金過不足」とか「現金が合わない」と言った状況になります。
悲しいですね、よくわかります・・
一体なぜ・・現金が合わない理由。
では、一体なぜこのようなことが起こるのか・・?ということですが、理由はホントたくさんあります。
・帳簿や会計ソフトに入力する時点で、誤って入力している。
・帳簿への記入もれ、ソフトへの入力もれ
・現金を数えた後に起きた取引がある。
・実は土日を挟んだりしていて、現金を数えた日が帳簿の締め日と合っていない。
・・などなど。
帳簿への記入や、会計ソフトへの入力は、結局人の手で行っているモノです。計算間違いもありますし、目がかすんで領収書の金額がうまく見えない時もあります。入力した!と思ってパソコンを閉じたものの、保存をしていなかったりとか。
そんなとき、「どの数字が正しいのか?」というところがあらかじめわかっていれば、その数字に寄せていくことが可能です。
たとえば、「常に金庫の中身は50,000円にしておく。」などとルールを決めておいたり、「必ず店を閉めるときにレジも締めて、現金残高は職員二人で確認する。」等としておけば、万が一現金残高が合わなくても「現金実査した金額」に合わせていくことができます。
そう、「現金実査の金額」が正しいとわかっていれば、間違っているのは「帳簿」か、「会計ソフト」です。
あとは、記入した帳簿や会計ソフトへ入力したデータを一個一個見てみれば、間違っている箇所がわかってくると思います。
逆に、あまり無いと思いますが「金庫の中身があり得ない金額」になっている。帳簿の金額の方が説得力あるなぁ・・というときは、なぜそのような金庫の中身になっているのか調査をしなければなりませんね(^_^;
銀行から下ろしてきた金額が未入力・・というパターンもよく見ましたよ。
現金はこうやって合わせる。
それでは、どうしたらよいのか・・。
これは、「どこが間違っているのか」で対処が異なってきます。
まず、「帳簿への記入が間違っていた、漏れがあった」等の時です。現金実査などをしており、「とにかく帳簿残高が50,000円になればいいのだ!」とわかっている場合は、帳簿の間違い箇所をひたすら探して訂正してゆき、残高が合うまでチェック&訂正をしていきます。会計ソフトも使っているのであれば、ソフトも同様に訂正していきます。
「ソフトへの入力」が間違っているのであれば、これも入力の間違い箇所を探しだし、ひたすら残高が合うまで入力の訂正をしていきます。
一方。なんと「現金残高を数えた時に間違えたみたい・・?」となった場合。
再び過去に戻って数え直す訳にはいきません。ですので、このときは帳簿の残高に合わせてしまうしかないでしょう。
そして、現時点でもって一度現金残高を数え直し、現時点での帳簿残高と合わせておくことをおすすめします!!
定期的に現金残高を合わせておけば、再び現金が合わなくなっても傷が浅くて(?)すみます。
現金過不足になったときの仕分け
一般的に、仕分けでなんとかするときには「雑収入」や「雑損失」などの科目で処理をします。
もし、個人事業主さんで「金庫の中身はな、オレの財布の中身ということだ・・。」という場合は、事業主貸や事業主借等といった科目もあり得ますし、会社によっては「役員借入金」等といった科目も考えられます。
入力誤りを訂正していき、どうしても合わない金額が残った。結果、帳簿の残高よりも、実際の現金が多くなった場合は、事業としては益となりますので
現金 / 雑収入
といった仕分けが考えられます。
反対に、帳簿の残高よりも、実際の現金が少なくなった場合は損失ですので
雑損失 / 現金
といった仕分けとなります。
頻繁に現金が合わないと、
「もーう!!合わないトコ探すのめんどくさい!!!仕分けで一発合わせてしまえ===!!」
と言いたくなりますが、一度しっかり間違い箇所は探すようにしましょう。そして、頑張ってもやはりよくわからなかった・・調査続行不可!!
となった場合だけ、仕分けで合わせる様にします。
どこに影響がでるの?注意点は?
「なんだ、仕分けで合わせられるんじゃん~♪」
と、仕分けで合わせる技を覚えると、サクサク仕分けで調整したくなりますが、ちょっとお待ちくださいね。現金が合わない事の問題点は、「合っていないということ」の他にもあります。
「雑損失」「雑収入」と言った科目を使っていても、決算書作成時には「科目内訳書」なるモノを添付し、結局「雑収入」や「雑損失」の中身を記載することになります。そう、「雑損失」の内訳は、「現金過不足 50円」などと結局は記載することになります。
ですので、対外的には「あぁ、現金しょっちゅう合わない会社なんだな。」と思われてしまったり、現金管理がしっかりできていない心証をもたれる可能性は大です。
さらに現金が「合わないことが正しかった場合」なんてものもあります。
なんのこっちゃ?
と思いますよね?
そう、今まで「合わないことは、入力ミスとかだから間違い探してなおそうね!」と言ってきましたが、イレギュラーに「合わないことが正しい」場合も考えておかなければなりません。
どういうときかと言えば、「レジのお金を盗られた」とか「横領があった」といった時です。
一気に不穏な空気になりましたね!
本来、現金実査もこのようなことが起きたときにすぐわかるように行うものだと思います。
現金の盗難や横領は、現金をきちんと管理して帳簿をつけていれば、盗られた時にすぐ「あ!帳簿合わない!」となって気づくことができます。このときは、合わないことが正しいのです。
なので、不特定多数の人が現金に近寄れる・・という環境の場合は、さらに現金管理は重要になってきますね。
まとめ
本日は、現金残高について考えて見ましたが、参考になったでしょうか。
「現金の実際の残高」と、「帳簿上の残高」、「会計ソフトの残高」がある時点で一致する!
という状態が「現金が合っている」という状態です。
合わせるには、帳簿上で仕分けを起こして合わせることもできますが、基本的にはきちんと原因を調べ(間違った入力箇所等を探して)、訂正を行いましょう。定期的に現金の実査を行う等して、実際の正しい残高を把握しておくことも重要です。
現金が合わないリスクも、対外的に信用を落としてしまったり、実際に現金が不足しているのに気づかない場合などが考えられます。
とはいえ、毎日神経質にお金を数えるのも疲れるもの。後々から調べ直すのも疲れるモノです。
まっ、合わなくても死ぬわけじゃないしね!!
と思いながら、あくまで事務的に「毎週金曜の夜は現金残高だけは数えとく!!」と自社に合わせたルールを考えて見ると良いと思います(^_^)
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