みなさんこんにちは、事務屋ひばさんです。
とつぜんですが、「高額医療費制度」って聞いた事がありますか??
私自身、この制度は今まで利用せずにおりましたが・・このたび、ついに調べる機会があって
「へーっ、そうだったのか!」
となりましたので覚書を作っておくことにしました。
制度として有るのは知っていたものの、概要はあんまり理解していませんでした。
しかし、実際に必要になってからだと落ち着いて調べ物もできなさそうですし、気になった方は速攻チェックです!
分かってしまえば、決して難しいものではないので、さらっと知識として仕入れておきましょう!!
「高額療養費制度」を簡単にいうと。
一か月間の区切りで、かかった医療費が高額かどうかを判定します。
この「高額かどうか」というのは、年齢や所得によって判定が違ってきます。
「〇歳で、お給料を△□✕円もらっている人は、〇✕円が医療費の限度ね!」
という感じで、ひとそれぞれ「限度額」と言うものが変わってきます。
この限度額を超えた分について、払い戻しをしてもらったりだとか、もしくは限度額を超えた分は窓口で支払いをしなくても良い様に認定証を出してもらったりすることができます。
「医療費を一旦支払ってから戻してもらう」
方法は、一度は支払いをしなくてはならないという点と、申請をしてから入金になるまでの期間が結構あるという点から、経済的に負担がかかります。
ですので、医療機関にかかって、お金がかかるという事があらかじめ分かっており、「お、お金がない・・」という場合には認定証を出してもらった方が、経済的な負担が少なくて済みます。
自己負担限度額っていくらなのか。
・70歳以上か、否か。
・貰っているお給料の「標準報酬月額はいくらなのか。」
という2点が分かっていれば、チェックすることができます。
標準報酬月額が分からない場合は、お勤め先に照会すると教えてくれますし、お給料明細からでも何となく読み取れたりします。
協会けんぽのHPをチェックしますと、下の様な表から、自分の所得区分を当てはめて自己負担限度額がチェックできます。
例えば、【70歳未満】の時は、下の表を見ます。
所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当 |
①区分ア (標準報酬月額83万円以上の方) (報酬月額81万円以上の方) | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
②区分イ (標準報酬月額53万~79万円の方) (報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方) | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
③区分ウ (標準報酬月額28万~50万円の方) (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方) | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
④区分エ (標準報酬月額26万円以下の方) (報酬月額27万円未満の方) | 57,600円 | 44,400円 |
⑤区分オ(低所得者) (被保険者が市区町村民税の非課税者等) | 35,400円 | 24,600円 |
お給料の標準報酬月額が25万程度の場合、限度額は57,600円ということが分かります。また、高額負担をした月が直近1年間で3か月もある・・!という場合は、4か月目から限度額がさらに引き下げられます。「多数該当」と書かれた欄が、新たな限度額となります。
戻してもらうには、どうしたら良いのか。
戻してもらう金額は、医療機関ごと、さらには科ごと、入院か外来かなどで集計した上で、集計した額が限度額を超えている場合に戻してもらえます。
戻してもらう際は、申請書を保険証の発行元へ提出します。
会社員であれば、協会けんぽや組合。フリーランスなどであれば、市町村が提出窓口となります。
それぞれによって申請の書式は違ってくると思いますが、協会けんぽの場合は、HPから用紙をダウンロードすることもできます。
限度額認定証を利用する場合
一度支払った医療費を戻してもらえる他、あらかじめ高額な医療費がかかると分かっている場合に、認定証を出してもらえば限度額以上の支払いをしなくても済みます。
協会けんぽの場合、あらかじめ「限度額適用認定申請書」を提出しておくと、その認定証が送られてきます。
医療機関にかかる際には、窓口で認定証を出すことによって、限度額以上の支払いをしなくても済むようになります。
対象となる「医療費」とは
高額医療費として対象となるのは、「保険診療」となる分に限ります。ですので、自費診療の分や、入院時の食事負担分、差額ベッド代などは対象となりません。
また、通常健康診断などは保険の適用とはなりません。が、再検査の場合は「病気の可能性」を疑って診療を受けますので保険の適用となります。
1か月の間に再検査を行い、さらに治療を行い、限度額を超えた・・という場合は、再検査の分も含んで計算することができます(*’ω’*)
かかった医療機関が複数ある場合・・
病気となって、一つの医療機関だけではなく、複数の医療機関にかかる場合もあります。
限度額は、医療機関や科ごと、入院や外来ごとに判定をします。が、限度額を超えていない場合でも、合算して限度額に達している場合は、合算した医療費が限度額を超えた分、医療費を戻してもらうことができます。
ただし、合算するのには条件があります。
支払った医療機関、科、入院や外来ごとに集計した結果、21,000円を超えているモノのみを合算します。
ですので、1か月の医療費の支払い状況が下の様な感じで・・
【自己負担限度額が57,600円だった場合】の例を考えてみます。
医療機関A ・・ 1か月の支払い額(保険適用分) 100,000円
医療機関B ・・ 1か月の支払い額(保険適用分) 30,000円
医療機関C ・・ 1か月の支払い額(保険適用分) 15,000円
医療機関D ・・ 1か月の支払い額(保険適用分) 40,000円
の場合、
医療機関A → 限度額適用認定証を利用すれば、1か月の支払い限度は57,600円になる。
医療機関B・D→それぞれ21,000円を超えているので、合算できる。合算した結果、70,000円になるので、限度額を超えた12,400円が戻してもらえる。
医療機関C → 1か月の支払い額が21,000円に満たないので、合算対象にならない。もどらない。
ということになります。
なんとなく、「戻してもらうか」「限度額の認定証を貰うか」の2択の様な気がしていましたが、そういう訳ではない様です。
何か所かで認定証を利用しつつ、他の限度額に満たない医療機関分は合算して戻してもらう、という事も可能ということですね(*’ω’*)。
以上、高額療養費を支払った際の制度について、基本事項を解説してみました。
ひばさんの加入する健康保険が協会けんぽですので、もう協会けんぽの場合で書いておりますが・・どの保険者に加入していても、高額療養費の制度自体は存在します。
この他にも、介護があった場合や、家族の医療費がある場合など、まだまだ沢山利用できるケースが眠っております。
知っておいて損はないですね!