売掛金が入らないときの対処法!売掛を早期に回収するための戦略!

みなさんこんにちは、事務屋ひばさんです(`・ω・´)

今月は目下、会社の決算事務!!

からの・・申告書作成!!

ということで、珍しく(?)せっせと働いておりますが、今回は貸倒の案件がございました。。

貸倒・・

聞いた事がありますでしょうか?

そう、

煮ても焼いても食えなくなった売掛金を処分することです!

みなさんも、

売上あがって喜んでたけど、全然入金にならなくて・・悲しい・・資金繰りつらい・・

と思ったことはありませんか!?

事業を展開していれば大なり小なり、感じたことがあるかと思います。

今回は、この売掛金について

  • 入金にならない売掛金はどうしたら良いのか。
  • 貸し倒れをするとどうなるのか。
  • 直接取り立てが怖い小心者(?)は泣き寝入りするしかないのか。

といった点について、ひばさん自身の失敗談を紹介しつつ記事にしてみたいと思います。

同じように、売掛金回収に悩んでいる皆様、どうぞ参考にしてやってください!!

目次

貸し倒れってなに??簡単にできちゃうもの??

なかなか入ってこない売掛金。

貸し倒れとは、どう頑張っても回収できない売掛金を放棄することを言います。そう、「売掛金」は会社にとっては「資産」とも言うべきものですが、コレを放棄・・「いらない!」ということですね。

では、売掛け先の相手、ちょっと怖い雰囲気の人だし・・請求の電話するのもストレスなんだよね・・

「あ、これもうダメだな。貸倒~!」

とできるかというと・・

残念、気軽に簡単にできるものではありません!

一応、貸し倒れにするにはいろいろと要件があり、それらに該当しなければ貸し倒れをすることができないこととなっています。

さらに税金上のことも考えて見ます。

貸倒にするということは、決算書上の売掛金が減って、さらに

「貸倒損失」や「雑損失」と言った経費が計上されることによって、会社の利益が減ります

ということは、その分法人税が発生していた場合は、納税額も減ります

さらに、貸倒した分の消費税額も控除することができますので、その分消費税等の納税額も低くなります

ですので、放棄したこちら側としては

「おっ、税金もお安くなってお得!」

と言いたいところですが、

税務署としては

「えー、ホントに回収できないの?努力足りないんじゃない??」

となって、本当は回収できる様なものであった際には

「それ、貸倒、ダメ!」

となって(否認)、せっかく安く計算した(?)法人税や消費税を改めて納め直さなくてはならなくなります。

ですので、本来「貸倒として処理をする」のは慎重に実行すべき事項なのです・・

この「貸し倒れにしても良いの?どうなの?」という判断基準は、それぞれ「法律上の貸倒」、「事実上の貸倒」、「形式上の貸倒」などと種類があり、それらに照らし合わせつつ・・

「どうかな?」「落とせるかな??」

と検討していきます。(参考 貸倒損失として処理できる場合/国税庁

私はこうして貸し倒れにした。。失敗だよね!

貸し倒れにするのに金額の上限はありません。

今回貸し倒れにした金額は・・ザックリ700万。

かなりの痛手です!

売上単価自体はそれほど大きくないのですが、それ相当の取引量があったので、いっきに畳みかけるように貯まってしまいました。

原因はと言えば、確かに売掛はジワジワと溜まってきてはいたものの、少額づつでも入金が続いていたことと、溜まり出すまでに継続的な取引があり、それなりの信用があったこと。さらに、

「いえ、払いますから!なんとしても!」

と先方の社長が言い張った事でしょうか。

さらにさらに言えば、売掛が溜まっていると現場サイドでちゃんと把握していなかったかもしれません。

そんなこんなで、気づいた時には結構な額になっていました。

後で振り返ってみれば、「ああ、あのときにナントかしていれば・・」とは言うものの、その時点ではなかなか判断がつきません。

先方も払うというのだから、とりあえずは請求書は発行して~・・などとしているうちに、先方社長がご挨拶に・・とやって来たのでした。

売掛先、突然の営業譲渡完了報告。ちーん・・

その売掛金を溜めていた相手先を仮にA社とします。

ある日、突然A社社長がやって来ました。

「3月末をもって、従業員は解雇しました。解散はしていません(売掛金を払うため。)。営業自体はB社と言うところに引き継ぎます。」

とのこと。

え。。

驚きですね!

良く聞くと、建物はそのままあるので、運営者と人がそのまんま変わるらしい。

さらに、

「解散も倒産も、自己破産もしない。そうすると、売掛金を払えなくなるから。再生もなし。税金や社保など、公的・国に面倒を見てもらえるところは見てもらうつもりだ。」

ここでの「面倒を見てもらう。」は、「踏み倒す。」の意味ですね。

あまりの展開に思わずポカーンとしてしまいますが、何か言わないといけません。

回らない頭でなんとか「現時点での売掛金残高について、書名で確認を貰いたい」と提案しますが(「いや、こんなに無いよ!」ってしらばっくれられない様に)、

「弁護士に、書面にはしない様にと言われた。」

とのことで、拒否。

怪しさマックスです。

「払います、払います」とだけ言って、ほんとに報告のみで(支払いなしで)帰ってゆく社長。ちょっと押しの弱いひばさんサイド、ただただ見つめるだけでした。

解散報告も突然に。

1年が経つものの、その間の入金は一切なし。

あの社長が再びやってきました。

「解散しました。」

とのこと。

弁護士に相談して、結局法人は解散したのだとか。それは社保や税金の請求を止めるためだとのこと・・

急いでA社の謄本を請求してみると・・

なんと、2か月以上前に解散してるじゃん!!

という事が判明・・。

すぐ来いよ!

うろ覚えですけど、解散されたら・・債権者って、2か月以内に申し出るんじゃないっけ(こんなときは・・)?すでに2か月経ってしまっているけど・・?

もう、この社長「払う、払う」と言いつつも最初から「踏み倒す気」しかなかったと思います。

誠心誠意が一切ない。

とはいえ、売掛金の金額的には、とても安易に切れる金額ではありません。

こちらも資金繰りに余裕があったわけではないですし、「もう請求する会社、なくなったからさ!」と言われて簡単に貸し倒れできるか!?という話です。

しかし、しかし・・この回収にかける体力や時間、気力があれば、もっと他に建設的な事ができるはず。。

諦めるにはホントに悔しい金額でしたが、貸し倒れに向けて動かざるを得なくなりました。

商工会議所の無料相談を利用

商工会議所なんて、簿記の試験の申込にしか行ったことありませんでしたが・・なんと、定期的に経営相談をしているとの広告を発見。

商工会議所によって内容は違うかもしれませんが、経営・金融・法律などについて相談を受けられるとのこと。

法律については、担当の弁護士さんに無料で相談できるらしいのです。ということで、早速予約を取って相談に。

結論からすると、貸倒にするには「営業譲渡をした先に、売掛が引き継がれていないかどうかを確認」した上で、先方社長からは「配当なし。払えない等」の返答を貰う

また、売掛金は近く時効を迎えるので、諦めない場合は急いで手を打つこと。

打つ手としては裁判。やるとしたら、刑事で詐欺。

-・・刑事!?詐欺か~・・。

まぁ、「払う、払う」と言っていて払う気が無いのは確かに詐欺だよ!

でも、ずっと売掛金に悩まされてきた当社。結局のところは裁判まではしないことにしました。

先方社長には一筆「払えない」と貰い、貸し倒れの処理をしよう、ということになりました。

貸し倒れ先の現況調査

貸倒にするには、その売掛先が「法的に更生や再生の認可を受けた」だとか、「資産状況や支払能力を見たら、回収の見込みなし」だとか、「取引停止後1年以上経過している」だとかの要件があります。

今回は、法的に認可を受けたわけでは無く、支払の意思も中途半端に見せ、イマイチ「取引が停止後1年たっているのか」と言うと、微妙なところ。ここは「資産状況や支払能力」を調べるしかなさそう。

会社の資産状況や、支払能力は、決算書を見て判断します。少なくても3期分は見たい、ということで3期分の決算書を請求。とりあえず、3期前には既に2億程度の債務超過にはなっている様子。

会社の謄本を見ますと、社長の住所も載ってます。不動産の謄本も調べたら、抵当権なんかも分かるけど、銀行からの借り入れも沢山あるし・・うちなんかはいれる隙間もなさそう・・。

ということで、取れそうなものは何もなし!と判断しました((+_+))

あとは、一筆貰って、債権放棄の通知を出します。

あと嫌なのは、先方が払う気が無いのに「払う」と言い張っていること。向こうが払うといっているのに、こっちが「いりません」という訳にはいきません。いい加減、中途半端な誠意を見せるのは止めてほしいところ。もう、

「そうか、頑張って欲しいなー!」

という時期はとっくの昔に過ぎていることに気付いてもらいたい。その変なやる気が迷惑になっております。

ですので、一筆「払えません」との文書が欲しい

とお願い(?)したところ、

「お支払いの目途が立たず、皆さま方には大変ご迷惑をおかけし申し訳ありません。」

との文書が・・。

「払えません」

って書いてほしかったんだけど・・微妙だな・・最後まで微妙だよ・・

とはいえ、これにて終了にしよう。

最後は、内容証明

「貴社に対する売掛金 〇〇円は、放棄します」

と送って終わることにしました。

金額からすると、中小企業の身には大きいものです。

本当に、この分のお金があったら、あんな苦労も・・こんな苦労もなかったかもしれないのに!(主に資金繰り)と思わざるを得ませんが、初めての内容証明にチャレンジしたり、法律相談に行ったりと勉強をさせてもらったのは確かです。←前向き

現金は、会社にとっては血液だ!

と言われますが、売掛金になって滞っていては、健康な会社にはなれません。

どうか、みなさまにおかれましては、売掛金&現金がスムーズに流れて会社が健康で(?)いられます様に!!!

入らない売掛はどうしたらいのか。戦略は!?

 今回は、実際に決して少なくはない売掛金を手放した際の様子についての記事でしたが、この記事を読んでいるということは同じように売掛金について「回収できない・・」とお悩みの方がいらっしゃるのかもしれません。

売掛金が回収できないと、自社の資金繰りもつらい上に、売掛け先への請求にかかる時間や人手、精神的なダメージなどかなりの体力を消耗します・・。

小心者のわたしなど、入金依頼の電話なんかも苦手だし、ましてや裁判なんて…泣き寝入りしかないの!?と思ってしまいます。。

そんな皆さんにも一つ方法があります・・!?自分で現地(相手先)へ行って回収してくる他、ファクタリングといって「売掛金そのものを売却する」という方法もあります。

売却時にそれなりに書類が必要になったり、手数料はかかってしまいますが、スムーズに売却することができればいらないストレスからは解放されます。

「え・・、売っちゃっても良いもの??相手に心証悪くならない!?」

と心配になるかもしれませんが、実際に常時利用している事業主さんもいますし、正直支払い状況の悪い取引先の心証は下がっても問題はないでしょう。

ファクタリングを扱っている会社って・・?と思った方は、コチラをチェックしてみてください(^_^)

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貸倒は、法的、税務的な判断が必要となります。ご自分で判断してしまわず、税務署や税理士さん、弁護士さんにご相談の上、処理するようにおススメします。

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