勘定科目の決め方ガイド~基本編『売上科目』

みなさんこんにちは、事務屋ひばさんです。

勘定科目の決め方ガイド、今日はいよいよ実際の科目について見ていきたいと思います!

勘定科目は、実のところ・・「この取引は、この科目で処理するように!」と法律で決まっているわけではありません。

税金は「租税公課」、借入をしたら「長期借入金」や「短期借入金」と言った風に、だいたい決まっているものもありますが、多くは会社の実情に合わせてアレンジされているものがほとんどです。

特に、損益計算書の科目については、会社やその業種によってかなり変わる部分があります。

今回のテーマの「売上」。実は一言で売上と呼んでいても、業種によってかなり違います。

目次

売上の勘定科目は、業種でわける。

一つの業種のみを行っている場合は、「売上高」という勘定科目一本で処理していてもOKかと思います。

が、会社によっては「アレもやって・・これもやって・・」と盛りだくさんな場合もありますね!

そんな場合、一目みて売上の内容が想像できるような勘定科目を設定しておくと便利です。

例えば・・

飲食店の売上がある→飲食店売上

塾の経営をしている→塾売上

建設工事を請け負っている→完成工事高

卸売をしている→卸売上

小売りをしている→小売、商品売上

サービス業→役務収益

賃貸物件がある→家賃収入 などなど

「○✕売上」、「△◇収入」、などという科目名にすると分かり易いかと思います。(この辺で若干のセンスを問われそうですが・・(;´・ω・))

「売上なんて、総額が分かればいいんじゃないの!」

と思われるかもしれませんが、分けることによって実はちゃんとしたメリットがあります。

売上の科目を細かく分けるメリット

まず、売上ごとの成績が分かります(そりゃそうか・・。)

「今年は、飲食店の売上が10,000千円と、洋服の売上が5,000千円、全部で15,000千円の収入だ!」

みたいな感じです。

全体で見ると、「だいたい去年と同じくらいの売上」と言った場合でも、「家賃収入はガタ落ちだけど、新しく始めた小売りがすごく伸びている」とか、「去年よりも全体的には落ちたけど、力を入れていた理容業は前年比の1.5倍だ。」と言ったことが読み取れます。

また、「感覚としては卸売りが伸びていると思ったけども、飲食店売上の方が伸びていた。なんでだろう?」などと、数字から現況を読み取ったり、分析をすることもできます。

長年商売をしていると、なんとなく数字を見なくても状況が読めたりもしますが、「感覚と、数字のズレ」をチェックすることも大切です。いくら経営のベテランでも、商売を取り巻くすべての要因を把握しておくことは難しいと思います。知らないところで、想定外の事が起こっていたり・・などということも、十分あり得ます。

そういった、「想定外の事柄の影響」というものが、数字に出ている事もあります。

さらに、業種ごとに売上や仕入を管理することで、「業種ごとの原価計算」や、「粗利を計算」することができます。

全体的にみて、粗利が低く出た時や、思っていたよりも利益が出なかった場合など、どこに原因があるのかを突き止めることもできます。

こういった分析は、

「この業種からは手を引こう・・( ;∀;)」

とか

「このお店の姉妹店を出そうかな(`・ω・´)!」

などという経営判断にとても役立ちます。

「数字」というと、とても難しい印象がありますが、「正しい数字」を計算しておくことで、イロイロと役立てることができます。

皆さんもぜひ、ご自身の事業にぴったりの勘定科目に設定して、役立ててみてくださいね(`・ω・´)

ところで、売上と営業外収入は何がどう違うの?

ところで、決算書(損益計算書の方)を見ていますと、「売上」の他に「雑収入」などという科目もあります。多くの場合、「営業外収入」という括りのところにあるかと思うのですが・・

これって何が違うの?

と思ったことありませんか?

書いて字のごとく、「営業外収入は、営業以外での収入なんだろう。」と予想がつきますが・・

「そもそも、営業外の収入って何だろう・・(;´・ω・)」

などと考え込んでしまったり・・(←若き日のひばさん)

だってそうじゃないですか。

事業をして、事業の一環で収入を得た以上、事業の収入だよ、と・・

そんな時は、会社の定款を見ますよ(*’ω’*)

法人であれば、会社を作る際に「定款」というものを作成しています。「定款」とは、「本社を○○県に置く。」とか、「〇年△月◇日に事業開始」など、会社の基本設定について書かれています。

さらに、会社の目的についても記載があり、「ネットで健康食品を売ることを目的とする。」や、「飲食店経営に付帯する一切の事業」などと、何を会社の目的(売上)とするかが記載されています。

売上とは、つまるところ「会社の定款に記載された目的に合うもの」になりますので、ここに載っていない収入は、すべて「営業外収入」として処理をします。

なので、事業の一環でも(?)会社の備品の椅子などを売却した場合は「雑収入」ですし、事業の預金通帳についた預金利息も、営業外収入の「預金利息」という科目で処理をすることになります。

まとめ

以上、売り上げについて

「事業で扱う業種ごとに、売上の科目を分けた方が良いよ!」

と、

「売上と、営業外収入の違い」

という事について見てきました。

最初にも書きましたが、勘定科目自体は法律で決まっているわけではありません。

ですが、決算書などから経営状況を分析する際などには、ルールに則って処理された数字でないと、正しい分析ができません。また、細かく科目設定をすることで、様々な分析も可能になります。

「分析なんて、まだまだ~!もうちょっと事業が波に乗ってから・・!もう日々の処理が精いっぱい!」

などと言わずに、折角ですので役に立つ数字が作れるように頑張ってみてくださいね~(‘ω’)ノ

参考 『勘定科目の決め方ガイド~基本編『勘定科目ってなぁに?

勘定科目の決め方ガイド~基本編『決算書にはこう表示される

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